赤ちゃんが過ごす家での安全対策とは?思わぬ危険から子どもの命を守ろう

子育て・育児

出産後、赤ちゃんを家に迎え入れる時に気になるのは安全面ですよね。

普段過ごしている家なら大丈夫だと思いがちですが、赤ちゃんは成長と共に行動範囲が広がり、パパやママが予期しない危険な行動をすることがあるので要注意です。

そこで今回は、赤ちゃんが暮らす家の中に潜む危険性や安全対策をご紹介します。

家の中でどのようなところに気をつけるべきか、事前にどのような対策ができるのか詳しくまとめましたので、ぜひこの記事を参考に、安全に赤ちゃんと過ごせるように工夫してみましょう。

赤ちゃんには危険がいっぱい!

赤ちゃんには危険がいっぱい!

日常生活を送る家の中には家具や家電が多くあり、便利な反面赤ちゃんにとっては危ないものになる可能性があります。

赤ちゃんが産まれたご家庭や、これから赤ちゃんを迎え入れようとするご家庭は、家の中の安全対策は十分でしょうか。

好奇心旺盛な子どもは、色んなことに興味を持ち、親の気づかないところに手を出すので大変危険です。

家の中で子どもが怪我をしたり食中毒やアレルギーが原因で病気になったりしないよう、様々な危険を予測して準備しなければならないのです。

赤ちゃんが起こりやすい事故とは?

0〜3歳までの赤ちゃんに起こりやすい事故は以下の通りです。

  • 異物誤飲
  • 窒息
  • やけど
  • 転倒
  • 溺れる
  • ぶつかる
  • 転落
  • 火傷

赤ちゃんは日々成長し、その成長段階によって起こりやすい事故が変わってくるため、「今安全だから大丈夫だろう」という思考は危険です。

事前に危険性を把握して対策をとっていくことが重大な事故を防ぐためのポイントとなります。

家の中に潜む赤ちゃんに起こりやすい危険と安全対策

家の中に潜む赤ちゃんに起こりやすい危険と安全対策

家の中にはたくさんの危険が潜んでいます。

ですが、赤ちゃんがお家で安心して過ごすために具体的にどのような対策が必要なのでしょうか。

ここでは、家の中で赤ちゃんに起こりやすい危険とそれに応じた安全対策を場所ごとにご説明します。

リビングの危険と安全対策

赤ちゃんと家族が多くの時間を過ごすリビングには様々な物が置かれているため、物にぶつかったり誤飲してしまったりする危険があります。

リビングにある危険を回避するために、以下の対策をとりましょう。

  • 床に物を置かない
  • 赤ちゃんの手が届くテーブルに物を置かない
  • テーブルのふちにカバーをつける
  • 不安定な家具は固定する
  • ドアにはドアストッパーなどを付ける
  • 引き出しは開けないよう工夫をする

また、ストーブを置いてある家庭は赤ちゃんが触れないようベビーガードの外に置くなどしましょう。

直径39㎜以内のものは赤ちゃんの喉を通ってしまうので、誤飲しないよう周りに置かないでください。

【赤ちゃんが誤飲しやすいもの】

  • タバコ
  • 医薬品・医薬部外品
  • おもちゃのパーツ
  • プラスチック製品
  • 金属製品
  • 硬貨 など

キッチンの危険と安全対策

キッチンは危険なものが多い注意すべき場所で、怪我をしないように十分な対策が必要です。

起こりやすい事故は以下の通りです。

  • 包丁、スライサーによる切り傷
  • コンロ操作によるガス漏れ、家事
  • 洗剤、調味料等の誤飲
  • 電源コードからの火傷

ベビーゲートなどを使用して赤ちゃんがキッチンに入らないようにしたり、長年古いコンロを使用している場合は、この機会にIHクッキングヒーターやチャイルドロック機能付きの新しいコンロに切り替えたりすると危険性は軽減できます。

賃貸の場合は、調理中もリビングにいる赤ちゃんを見守れるように対面キッチンの部屋を選ぶのもおすすめです。

浴室の危険と安全対策

浴室の危険と安全対策

浴室で起こりやすい事故は、溺水です。

足腰がしっかりしていない赤ちゃんは、水の中ではバランスがとりづらく、たとえ数cmの水位だったとしても溺れる危険性があります。

ママやパパが頭や体を洗っている間に、浴槽に残した赤ちゃんが足を滑らせて溺れたり、浴槽の残し湯に赤ちゃんが転落して溺れたりする場合もあります。

赤ちゃんが1人で浴室まで行けないようにする、赤ちゃんと入浴中は目を離さないなどの対策が必要です。

寝室・ベランダの安全対策

寝室は安全だと思いがちですが、窒息や転落の危険性が高いのは寝室です。

中でも就寝時の窒息が多く、マットレスが顔に埋まったり、寝具や家族の体の一部に圧迫されるという危険性があります。

この場合の安全対策としては、以下の通りです。

  • 仰向けで寝かせる
  • ベビーベッドに寝かせ柵をしっかり上げておく
  • 子ども用の掛け布団を使用する
  • マットレスは固めのものを選ぶ
  • 赤ちゃんの周りには何も置かないようにする
  • ベッドに寝かせる場合は落下しないよう柵をつける

ベビーベッドに寝かせている場合でも、シーツがベビーベッドのサイズに合っていなかったり、おもちゃや枕が置いてあったりすると窒息の危険があるので、十分注意しましょう。

また、寝室の窓やベランダから子どもが転落する危険性もあるため、子どもが登れそうな物を近くに置かない、ドアロックを付けるなどの対策が有効です。

トイレ・洗面所の安全対策

トイレや洗面所の棚には、強酸・アルカリ性の洗剤など、赤ちゃんが誤飲すると危険なものが多くあります。

そのため、ドアロックをかけたり赤ちゃんの手が届かない上の方に収納したりするようにしましょう。

また、赤ちゃんが便器をのぞき込んで転落、溺れる危険性もあるため、必ず便器は蓋をする、トイレのドアを1人で開けられないよう工夫をすることが大切です。

赤ちゃんを危険から守るために今すぐできる安全対策

浴室の危険と安全対策

家の中に潜む危険性や対策方法をご紹介しましたが、パパやママに心掛けていただきたい安全対策をご紹介します。

赤ちゃんを迎え入れる前から備えておくことが重要なので、ぜひチェックしてください。

対策①家の中をきれいな状態に保つ

砂やホコリは、免疫機能が弱い赤ちゃんが体調を崩すきっかけを与えますし、カビは喘息やアレルギーの原因にもなります。

また、赤ちゃんが過ごす部屋にものがたくさんあると、赤ちゃんがつまずいて転んだり、落ちているものを誤飲したりする危険性も潜んでいるのです。

そのため、まずは掃除や片付けをして家の中をきれいな状態に保つことを心がけてください。

普段から使用するソファやクッションなどの清掃は忘れてしまいがちですが、皮脂汚れやホコリが溜まって雑菌が繁殖する恐れがあるので、素材に適した清掃方法できれいにしておきましょう。

対策②赤ちゃんの窒息に注意する

家庭内で起こる子どもの事故の中で0〜3歳頃の赤ちゃんに多いのは「窒息事故」です。

赤ちゃんは手に掴んだものを何でも口に含む傾向にあるため、赤ちゃんの周りに小さなものが落ちていないか、喉に詰まりやすいものを食べさせないか注視しておかなければいけません。

万が一、赤ちゃんがものを喉に詰まらせた場合の対処法をまとめました。(参照:救急蘇生法の指針市民用2015)

背中を叩く (背部叩打法) 片手で乳児の体を支え、手のひらで乳児のあごをしっかり支えながら、もう一方の手のひらのつけ根で乳児の背中をしっかり叩く(5、6回を1セット)
胸部を圧迫する (胸部突き上げ法) 乳児をあお向けにし、片手で乳児の体を支えながら手のひらで後頭部をしっかり押さえ、心肺蘇生法と同じやり方で胸部を圧迫する。(5、6回を1セット) 乳児の様子を見ながら、(1)と(2)の対処法を交互に繰り返す。
腹部突き上げ法 (ハイムリック法) ※1歳児以上の場合 背後から両腕を回して、片方の手を握りこぶしにし、子供のみぞおちの下に当てる。 もう片方の手をその上に当てて、両手で腹部を上に圧迫し、これを繰り返す。

対策③必要な連絡先をリストアップする

必要な連絡先をリストアップする

急病や突然の事故に備えて、必要な連絡先がすぐ分かるようにリストアップしておきましょう。

用意しておくと便利な連絡先はこちらです。

  • 救急病院(夜間救急)
  • 最寄りの小児科
  • タクシー会社
  • 厚生労働省「子ども医療でんわ相談(#8000)」

対策④赤ちゃんの体調を日々チェックする

赤ちゃんの具合が悪くなったとき、先生に対して必要な情報を具体的に説明できれば、診察がスムーズにいきますし、原因も分かりやすいです。

  • 熱は何度あるか
  • 母乳やミルクをどれくらい飲めているか
  • うんちやおしっこの回数や状態

上記のように、いざという時のために備えて日々赤ちゃんの体調をチェックして記しておくのがおすすめです。

対策⑤安全対策グッズを活用する

赤ちゃんがハイハイをするようになったり、歩けるようになったりすると、家の中での行動範囲が一気に広がります。

赤ちゃんから目を離さないことが安全対策の基本ではありますが、少し目を離した隙に危険な行動をとってしまう可能性があるので、注意が必要です。

現在ではドアロックやコーナークッション、ベビーゲートなどの安全対策グッズが多く市販されていますので、赤ちゃんが危ないと思うシーンに合わせて活用すると良いでしょう。

対策⑥食事の危険から赤ちゃんを守る

食事の危険から赤ちゃんを守る

赤ちゃんへの食事も注意しなければ、窒息やアレルギー、食中毒を引き起こす恐れがあります。

離乳期が完了しだからといって、大人と同じものを食べさせても良いというわけではありません。

ここでは、食事による危険から赤ちゃんを守るために、赤ちゃんに与えてはいけない主な食べ物をご紹介します。

噛む力や口の大きさに合わないもの

子どもは、成長とともに歯が生えてきて、少しずつ噛む力を強めていきます。

0歳ではまだ歯を使って食べられず、3歳頃から乳歯が完成しますが、大人に比べると噛む力が弱いということを理解して与えなければいけません。

赤ちゃんは噛みきれないものを丸呑みしてしまう傾向にあり、窒息する危険性があります。

そのため、赤ちゃんの噛む力や口の大きさを考慮して問題なく食べられる硬さ、大きさにしましょう。

ハチミツ(満1歳まではNG)

ハチミツには「ボツリヌス菌」が含まれている可能性があります。

腸内環境がまだ未成熟な赤ちゃんがハチミツを食べると腸からボツリヌス菌を吸収してしまい、乳児ボツリヌス症を発症し、便秘になったり母乳やミルクの飲みが悪くなったりする場合があり、まれに亡くなることもあるのです。

そのため、ハチミツやハチミツが含まれている料理は満1歳まで与えないようにしてください。

香辛料

赤ちゃんの味覚は大人よりも敏感です。

そのため、胡椒やわさび、からし、唐辛子などの香辛料は刺激が強すぎるので0歳児に与えるのは避けた方が良いでしょう。

辛味のある食べ物を食べさせるなら、子供の消化器官が完成すると言われる10歳頃からが良いとされています。

1歳代ではカレー粉、胡椒、生姜などが使えるようになりますが、多量にならないよう気をつけてください。

生魚

生魚

生魚は、海水中に生息している腸炎ビブリオ菌や、アニサキスなどの寄生虫による食中毒になる恐れがあります。

大人よりも抵抗力の弱い赤ちゃんが食中毒になると重症化する恐れがあるため大変危険です。

また、生のイカやタコは赤ちゃんが噛みきれず、丸呑みして喉に詰まらせる心配もあります。

そのため、魚介類を与えるときは初めは火を通す、生魚は体力がついた3歳前後から細かくして与えるという点を押さえておきましょう。

ウインナー、ベーコン、ハム

肉の加工品であるウインナーやベーコン、ハムは大体1歳~1歳半頃から食べさせるのが望ましいです。

市販されているこれらの食べ物は一般的に、発色剤・酸化防止剤・調味料・香辛料などの食品添加物や、塩分が多く含まれているため、注意が必要です。

また、ウインナーを皮付きのまま与えると喉に詰まらせる原因となるため、食べさせる場合は細かくして与えましょう。

はじめに下茹ですると、塩分や脂肪分を落とせるのでおすすめです。

生卵

卵は栄養価が高く、食事のレパートリーも広がる食材ですが、生卵を赤ちゃんに食べさせるのはNGです。

卵はサルモネラ菌に汚染されている可能性があり、加熱していない生卵は食中毒になりやすいと言われているのです。

日本食品衛生協会「卵の衛生的な取扱いについて」では、2歳以下の乳幼児へは十分加熱した卵料理を提供することを推奨しています。

事前に安全対策をして赤ちゃんを危険から守ろう

事前に安全対策をして赤ちゃんを危険から守ろう

赤ちゃんの成長は早く、パパやママができないと思っていることでも急にできるようになります。

それが重大な事故に繋がる恐れがあるため、赤ちゃんの安全のためにも十分すぎるほどの備えをしておくのが望ましいです。

とはいえ、「あれもダメ、これもダメ」と過剰に反応するのではなく、赤ちゃんに起こりやすい事故や危険な行動パターンを把握・予測して、適切な対策を講じていきましょう。

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