赤ちゃんのよだれが多いのは良いこと?悪いこと?よだれの役割や賢いという説について解説

赤ちゃん・幼児
little child baby smiling lying under thr towel
赤ちゃんのよだれが多いのは良いという説と悪いという説があるのを知っていますか? また、よだれが多い赤ちゃんは「賢い」とか「元気だ」という説もあります。 この記事では、赤ちゃんのよだれが多いのは良いのか、悪いのか、またうわさの真相について解説していきます。

よだれとは?

よだれが多い 赤ちゃん 賢い
そもそも「よだれ」の正体は「唾液」ですが、赤ちゃんの口から溢れてしまう唾液のことを「よだれ」といいます。 唾液には口の中を清潔に保つという作用があり、まだ歯磨きのできない離乳食を始めたばかりの赤ちゃんの口の中の細菌などをやっつけるのに「よだれ」が良い働きをしてくれます。 また、赤ちゃんが話せるようになるためには舌をスムーズに動かせるようにならなくてはいけませんが、「唾液」は赤ちゃんが舌をスムーズに動かせるようの「潤滑油」としての役目も果たしています。

赤ちゃんに「よだれ」が発生する理由

なぜ、赤ちゃんの口からは唾液が漏れて「よだれ」になってしまうのかというと、口の周りの力がまだ弱いため、口を常に閉じていることが難しいからです。 母乳を飲む姿や哺乳瓶から勢いよくミルクを飲む姿をみると、吸い込む力があるように見えるので口の周りの筋肉が発達しているように思えますが実はあまり力はありません。 また、赤ちゃんの口からよだれが泡のように出ることがありますが、特に問題はないようです。

赤ちゃんのよだれが始まる時期

よだれが多い 赤ちゃん 賢い
赤ちゃんは新生児の時から「よだれ」を出すわけではありません。 赤ちゃんがよだれを出すようになる時期は、一般的に歯が生え始める時期と言われています。

よだれと離乳食の時期の関係

離乳食はだいたい赤ちゃんの生後6~7か月頃から始まります。 赤ちゃんがよだれを出すようになったら、それは「ごはんを食べられる」というサインだというわけです。 それまでは、母乳やミルクといった液体しか食べられなかった赤ちゃんが唾液をたくさん分泌できるように成長したことによって食べ物を飲み込めるようになるのです。

よだれが出る理由

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赤ちゃんは成長が進むにつれて、体内でさまざまな消化酵素がつくられるようになります。 そして、唾液の量は消化酵素が多くなることに比例して多くなります。 また、消化酵素が増えるスピードには個人差がありますが、消化酵素が増えることで、赤ちゃんはいろいろな食材が食べられるようになります。 「赤ちゃんがよだれをたくさん出すのは元気な証拠」だという説は、消化酵素がたくさんつくられ、「いろいろなものが食べられるようになる=身体が健康になる」という発想から結論づけられたものかもしれません。

よだれの増減

赤ちゃんの離乳食が始まる時期は先述のとおり、生後6~7か月頃からですが、「よだれ」はその少し前の生後4か月頃から分泌量が増えてきます。

よだれのピーク

少しずつ分泌量が増えていったよだれは離乳食を始める6か月頃にピークを迎えるそうです。 細胞レベルで固形物を体内に入れる時期に向けて分泌量を増やしているのが分かります。 その後は、唾液の分泌量は変わらないものの、口の周りが強くなることと唾液を飲み込むのも上手になっていくことから、生後9か月を過ぎると「よだれ」を垂らすことは減ってきます

赤ちゃんのよだれのメリット

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赤ちゃんの「よだれ」に関するメリットをまとめてみると以下のことが挙げられます
  • むし歯になりにくい
  • 風邪をひきにくい
  • 離乳食が進みやすくなる
  • スタイでおしゃれを楽しめる

むし歯になりにくい

よだれ(唾液)には自浄作用があるため、口の中をむし歯になりにくい環境にするのに役立ちます。 唾液は口の中の細菌を洗い流すという働きとともに、細菌の繁殖を抑えて、歯の石灰化を促す役目も持っています。 赤ちゃんはよだれを多く分泌することで本能的に口の中の健康を保っているのです。

風邪をひきにくい

風邪などのウイルスは鼻からのどの細胞に付着して発症します。 風邪などにかかりやすい人とかかりにくい人とを比べると、かかりにくい人ほど唾液の分泌量が多いということが分かっています。 すべてのウイルスに対して有効だとは言えないものの、赤ちゃんのよだれが多く分泌されていることは風邪などのウイルスから守るために有効だといえます。

離乳食が進みやすくなる

「よだれ」は、東洋医学的にみると、胃腸などの消化吸収に関係する臓器と深いつながりがあります。 消化力や吸収力、食欲などの胃腸の機能が元気に働いていると、「よだれ」もしっかり出るからです。 つまり、よだれがしっかり分泌されている赤ちゃんは離乳食も進みやすくなります

スタイでおしゃれを楽しめる

スタイとは、「ビブ」とも呼ばれ、要するに「よだれかけ」のことをさします。 よだれの分泌量の多い赤ちゃんが洋服を汚さずにすむようにしたり、口元をさっと拭くのに使ったりと赤ちゃんには欠かせないアイテムです。 手作りするのも良いですし、市販のものはデザインも豊富なのでおしゃれを楽しむこともできます。 お肌のデリケートな赤ちゃんの首もとや口まわりに使用するものなので、素材や生地は慎重に選びましょう。
素材 詳細
ガーゼ ガーゼは通気性がよく、肌ざわりも優しいのでお肌がデリケートな赤ちゃんにピッタリです。 しかし、折り目が荒いので生地が薄いと汚れや水分が服まで届いてしまうこともあります。 ガーゼのスタイは生地をたくさん重ねたものを選ぶことがおすすめです。
タオル タオル生地は水分の吸収力が高いため、スタイの生地として選ばれていることが多いです。 一定の厚みもあり、服まで汚れや水分がとどきにくいのも特徴です。 ただし、あまり厚いとかえってゴワつきがでてしまい赤ちゃんが嫌がることがあります。 また、毛足の長いものは赤ちゃんのお肌に摩擦を起こす恐れがあるため毛足は短いものを 選ぶのが良いでしょう
コットンリネン コットンリネンとは、コットン(綿)とリネン(麻)を混ぜてつくられた生地です。 それぞれの素材の良さを併せ持ち、吸水性に優れ、速乾性のある麻の長所とコットンの 肌ざわりの良さがあります。 リネンは使い込んでいくうちに柔らかさが出るので、長く使うことで肌なじみがどんどん 良くなるところも利点です。
ワッフル ワッフル生地は食べ物のワッフルのように生地に凹凸があるのが特徴です。 この凹凸があるおかげで吸水性が高く、スタイの生地に向いています。 服や肌に触れる部分も凹凸におって少なくなるため、肌や服に汚れがつきにくいのも 利点だといえます。 どちらかというと厚めな生地なので、夏場よりも寒い季節におすすめの素材です。

よだれが知らせる不調のサイン

よだれが多い 赤ちゃん 賢い
「よだれ」は赤ちゃんの体調不良を知らせてくれるサインの役目をはたす場合もあります。 例えば、口内炎やのどが炎症している時など、炎症が原因でよだれが増える場合があります。 他にも、赤ちゃんが普段よりも頻繁に口に手を入れたり、食欲がなくなったりという違和感を感じることがある場合には、「溶連菌感染症」や「手足口病」など乳幼児がかかりやすい感染症にかかっていないか注意してあげましょう。 身体や手足に赤いぶつぶつが出てくるなど何等かの症状がみられたら速やかに受診をしてください。

よだれが多いのは悪いこと?

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赤ちゃんのよだれが多いことが「悪い」と言われる要因の一つに肌トラブルを引き起こすことが挙げられます。 よだれが原因で起こる赤ちゃんの肌トラブルは、主に口のまわりの肌荒れで、俗にう「よだれかぶれ」です。

よだれが原因で肌トラブルがおきる理由

「よだれ」のせいで肌トラブルが起きる原因は、よだれに含まれる「塩分」と「消化酵素」が原因です。 人間の肌はタンパク質です。 よだれに含まれる消化酵素がタンパク質を分解する働きをすることで赤ちゃんのデリケートな肌を傷つけてしまい肌荒れが起こります。 そのため、よだれのついた部分をそのままにしてしまうと「接触性皮膚炎」になってしまうのです。

よだれかぶれから肌を守る対策

生後4か月頃になったら、赤ちゃんが成長するためによだれは必ず出てくるものです。 よだれによる肌トラブルを回避するためには日常のホームケア対策が必要になります よだれによる肌トラブルが悪化したり、長引いたりする場合は早めに皮膚科を受診することが何より大切ですが、その手前のホームケア対策について解説していきます。

口のまわりをやさしく拭く

口のまわりによだれがずっと付着していることが肌トラブルの原因となるので、食事の後やよだれが気になる時、朝起きた時など、こまめに濡らしたガーゼやタオル等で口のまわりを優しく拭いてあげましょう。 拭くときはゆで卵の白身をくずさないようなイメージで、摩擦がおこらないように優しく汚れを取るのがポイントです。 また、口のまわりを拭くガーゼやタオルもこまめに取り替えて、清潔にしておくことが大切です。

洗って清潔に保つ

こまめに拭いてあげることも大事なのですが、どんなに優しく拭いたつもりでも少なからず肌に負担をかけてしまいます。 可能であれば、1日に数回はぬるま湯で優しく洗い流してあげましょう。

保湿をしっかりする

赤ちゃんの口のまわりを洗ったり、拭いたりした後は、よだれや汚れと一緒に肌の皮脂も落としてしまうため、バリア機能が低下してしまいます。 ワセリンなどの保湿剤を塗布して保湿を忘れずにおこなってください

食事の前に保護する

赤ちゃんが離乳食を食べる時にアゴのあたりにワセリンなどを塗布しておくと、食べ物や唾液からお肌を守ることができます。 食事の前に付けるものは、クリームなどは避けて口の中に入っても問題のないものを選びましょう。

よだれの多い赤ちゃんは賢い?

よだれが多い 赤ちゃん 賢い
「よだれが多い赤ちゃんは賢い」という話を聞いたことがありますか? それについては特に医学的根拠が示されているものはないようです。 しかし、赤ちゃんのよだれが多く分泌される離乳食の時期は、赤ちゃんの脳が急速につくられている時期にあたるため、「食べる」という赤ちゃんにとって新しい体験が脳の機能発達に関係していることから発展した説ではないかと考えられます。

「噛む」という行為が脳に刺激を与える

離乳食で脳に必要な栄養素を摂取できることと、「噛む力」が脳の発達にとって良い刺激となります。 また、噛むことで唾液(よだれ)がたくさん分泌されるため、消化・吸収が良くなり、必要な栄養素を無駄なく吸収できることにつながります。

手づかみで食べることが感覚機能の発達を豊かにする

離乳食の始まった赤ちゃんは手づかみ食べをするようになります。 脳の発達に肝心だといわれる生後1年までの重要な時期に「突き出た大脳」と言われるほど脳の発達に大きくかかわる手の指を使って「手づかみ食べ」をすることで赤ちゃんはたくさんの刺激を吸収します。 離乳食を「見て・触って・噛んで・味わう」という多くの刺激を受けることで、感覚機能や運動機能などを育んでいくのです。

手づかみ食べの経験が自信にもつながる

赤ちゃんが自ら離乳食に向かって手を伸ばしはじめたら、手づかみ食べを始めるサインです。 大人にとっては、散らかったり汚れたりするので大変ですが、できる範囲で手づかみ食べを実践できる環境をつくってあげるようにしましょう。 赤ちゃんが食べ物と手指と口のまわりの位置関係や距離感、手指の感覚を養い、自分で食べられるようになることで、経験が自信になる時期なので大切に見守ってあげてください。

赤ちゃんのよだれと上手に付き合っていこう

よだれが多い 赤ちゃん 賢い
赤ちゃんのよだれが多いことは良い面も悪い面もあり、また、よだれが多く分泌される時期は赤ちゃんにとって大切な時期であることを解説してきました。 また、よだれが多い赤ちゃんが「賢い」や「元気」だという説についても、よだれが原因ではありませんが、よだれが関連している可能性は多いにありそうです。 赤ちゃんの成長には「よだれ」は欠かせないものなので、役割や対処法を理解し上手に付き合っていきましょう。
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