「離乳食をはじめる時期になったのに、なかなかお座りをする気配を見せない」と不安になっている人もいるのではないでしょうか。
離乳食は5か月~6か月を目安に開始することを推奨されていますが、実は赤ちゃんが安定して一人でおすわりできるようになるのはもっと先です。
この記事では、赤ちゃんがお座りをできるようになる時期や、お座りできるようになる時期が早すぎる・遅すぎることに問題はあるのか?、お座りを促すポイントを解説します。
赤ちゃんがお座りするようになるのは何ヶ月頃から?
TwitterやInstagramのママ垢(ママアカウント)を見ていると、3か月ほどでお座りができるようになった赤ちゃんもいるようです。
通常の発達から見てお座りができるようになる時期が早すぎるまたは、遅すぎる発場合、
「何か障害があるのではないか?」と不安になることもあるでしょう。
そこで、赤ちゃんが一般的にお座りを開始する時期や発達の過程、お座り開始時期による疑問を解消していきます。
7か月~8か月で70%の赤ちゃんがお座りできるようになる
赤ちゃんの7割は
7か月~8か月程度でお座りができるようになります。
ただし、発達の早い遅いは赤ちゃんの性格や筋力などにより様々で、お座りができるようになる時期に6か月程度の差が出ることもあるようです。
また、赤ちゃんはうつ伏せ遊びや寝返りで必要な筋力を身につけるため、お座りの練習をする必要はないといわれています。
お座りが遅い!9か月すぎてもおすわりできない場合は発達障害の可能性がある?
一般的には7か月前後でお座りができるようになりますが、「9か月をすぎてもお座りをする気配が見られない」と心配している人もいるでしょう。
9割以上の赤ちゃんは10か月以内にお座りができるようになっているので、それまでは様子を見ていても問題ないでしょう。
しかし、1歳を過ぎてもお座りをしない場合、何らかの原因で
発達遅延が起きている可能性があるので、かかりつけの小児科や自治体が開設する児童相談所に相談してみてください。
低月齢でお座りをするようになると身体に負担がかかる?
お座りができるようになったということは、お座りに必要な筋力やバランス力が身についたことを意味します。
しかし、首座り前や腰座り前に親が支えてお座りをさせると、赤ちゃんの
身体に負担がかかる可能性があるので注意しなくてはいけません。
低月齢のお座りには以下の3つのデメリットがあるので、長時間のお座りは控えましょう。
- 背中や首の筋肉に負担をかける
- 必要な筋力が発達しない可能性がある
- お座りを嫌がるようになる
背中や首の筋肉に負担をかける
首や腰が据わっていないということは、背中や首にまだ
十分な筋肉がついていないということです。
その状態でお座りをさせてしまうと、首や背中を支える筋肉に大きな負担がかかってしまいます。
首や背中の筋肉に負担がかかると、筋肉が硬くなり動きが悪くなったり、痛みが出たりして発達に影響が出てしまうかもしれません。
必要な筋力が発達しない可能性がある
早い時期にベビーチェアやベビーソファを使用してしまうと、必要な
筋力が発達しない可能性があります。
実際に、低月齢から上記アイテムを使用してお座りをしていた赤ちゃんは、ずりばいやハイハイをしないことがあるようです。
また、歩き出す時期も遅くなる傾向にあるので、なるべく自然な発達に任せるのがおすすめです。
お座りを嫌がるようになる
腰座り前にお座りをすると、フラフラとして
姿勢が安定しません。
そのため、お座り自体が嫌いになってしまう可能性があります。
また、腰座り前からお座りをしていると自由に動けないため、お座りの姿勢を嫌ったり、動くことを諦めたりすることもあるようです。
赤ちゃんがおすわりできるようになるまでの発達過程
赤ちゃんの
発達過程は、歩くまでのステップとなっています。
赤ちゃんが急にハイハイをしたり、つたい歩きをしたりするのは、それぞれの成長過程で必要な筋力やバランス力、感覚を身につけているからです。
赤ちゃんが生まれてからお座りができるようになるまでには、以下のような過程で発達を進めます。
- ねんね
- 首すわり
- 腹ばい
- ずりばい
- はいはい
- お座り
ねんね
生まれたばかりの赤ちゃんは、
仰向けの状態で1日を過ごします。
少しずつ手足や首を動かす練習をはじめるようになるでしょう。
足の力が強い赤ちゃんは、上の方に移動してしまうので、赤ちゃんの周りには何も置かないようにしてください。
首すわり
生後3か月頃になると、首に筋力が付いて頭を持ち上げられるようになります。
首がすわると赤ちゃんは色々なことに興味を持つようになり、周囲をキョロキョロと観察することも増えるでしょう。
首が据わったらうつ伏せ遊びを取り入れて、発達を促すのがおすすめです。
腹ばい
5か月~6か月になると、赤ちゃんも寝返りができるようになります。
寝返りができるようになると、首や腰の筋肉がしっかりしてきた証拠です。
この時期は、布団やクッションで窒息事故の危険性が高くなるので、これまでよりも赤ちゃんが生活する環境に気を配りましょう、
ずりばい
背中や手足の筋肉がより丈夫になると、お腹を付けたままの状態で移動できるようになります。
しかし、まだ手足の動きが思うようにいかず、意図しない方向に進んだり、ぐるぐると同じ場所を回ってしまうこともあるでしょう。
ずりばいができるようになったら、少し広い動けるスペースを用意してあげるのがおすすめです。
はいはい
ずりばいから手足で身体を支えられるようになると、四つん這いの状態で前に進めるようになります。
はいはいができるようになると、お座りに必要な筋力やバランス力を身につけるまであと少しです。
はいはいは全身を使う運動なので、手足や背中、腹筋、首など全身に筋力が付いて、これまでよりもしっかりした体つきになってくるでしょう。
お座り
7か月頃になると、お座りができるようになる赤ちゃんがだんだんと増えてきます。
8か月に入る頃には、お座りに安定感が生まれるでしょう。
赤ちゃんによって発達のスピードは異なるので、遅いからといって過度な心配は必要ありません。
お座りの前兆
寝返りやずりばいは、
お座りの前兆といわれています。
安定して一人で座れるかどうかチェックしたいときは、赤ちゃんを床に座らせて、前屈みになるように床に手をつけてみましょう。
赤ちゃんが一人でバランスが取れるようなら、安定した一人座りまでもう少しです。
お座りの練習をしてはいけない理由
「赤ちゃんにお座りの練習をさせるのはよくない」といわれることがあります。
その理由は、お座りに必要な運動機能が未発達だからです。
お座りの練習をすると、以下4つのデメリットがあります。
- 背中から首にの筋肉が硬くなってしまう
- 姿勢が悪くなる可能性がある
- バランス感覚が悪くなる
- シャフリングベビーになる可能性がある
背中から首にの筋肉が硬くなってしまう
赤ちゃんがお座りするためには、
背中と首の筋肉がしっかりと発達していなければいけません。
筋肉が未発達の状態でお座りの練習をすると、背中から首にかけての筋肉が硬くなり、痛みがでたり動かしにくくなったりしてしまいます。
その結果、運動機能の発達に遅れや支障が起きる可能性も否定できません。
姿勢が悪くなる可能性がある
筋肉が十分発達していない状態でお座りの練習をはじめると、
姿勢が悪くなってしまう可能性があります。
実際に、赤ちゃん用のイスやソファーを使用して早い時期からお座りをしていた赤ちゃんは、背中が丸まっている子が多いです。
一度悪い姿勢が身につくと修正するのが大変なので、適切な時期までお座りは控えたほうがいいでしょう。
バランス感覚が悪くなる
赤ちゃん用のイスやソファーでお座りをしていると、自分でバランスを取る必要がありません。
そのため、一人座りに必要なバランス感覚がいつまで経っても身につかない可能性があります。
バランス感覚が身につかないと、歩き出しも遅くなるでしょう。
シャフリングベビーになる可能性がある
シャフリングベビーとは、
お尻を付けて移動する赤ちゃんのことを指します。
立たせようとしても筋緊張の低下で足が床に付かないので、お座り以降の発達が送れてしまう可能性が高いです。
早い時期からお座りをしていると、シャフリングベビーになってしまう可能性が高くなるので注意しましょう。
お座りが遅くて不安なときは発達を促してあげるのがおすすめ
基本的に赤ちゃんにお座りの練習は必要ありませんが、「
なかなかお座りをしなくて心配」、「なにか良い方法はないだろうか」と心配している人もいるでしょう。
そういった場合は、運動発達を促す遊びを取り入れるのがおすすめです。
お座りを促すのに最適な方法を3つ紹介するので、お座りが遅くて心配な人は参考にしてみてください。
- うつぶせ遊び
- 積極的にハイハイで遊ばせる
- 座り姿勢で腰を支えてあげる
うつぶせ遊び
うつぶせ遊びは
タミータイムとも呼ばれ、うつぶせの状態で生活させることで、運動発達・頭の絶壁予防・好奇心を向上させることを目的としています。
うつぶせ遊びをするときは、必ず大人の目が届く、硬い床の上で実施することが大切です。
赤ちゃんがうつぶせのまま目を離したり、寝かせたり、柔らかいマットの上で実施しないようにしてください。
積極的にハイハイで遊ばせる
お座りは、身体を
自分で支える必要があります。
はいはいができるようになると、身体を支えるために必要な体幹が鍛えられます。
手で身体を支える力やバランス感覚も身につくので、積極的にはいはいをさせて運動能力を高めてあげましょう。
座り姿勢で腰を支えてあげる
腰がすわってきたと感じたら、赤ちゃんを座らせて腰を支えてあげましょう。
何度か繰り返すことで赤ちゃんが座り姿勢になれ、自発的に座れるようになります。
ただし、
長い時間座わらせないように注意してください。
自発的なお座りの前に控えておきたいこと
赤ちゃんはその時の発達に合わせて、自分で必要な筋力やバランス力を身につけるため、あえてお座りの練習をする必要はありません。
逆に、お座りの練習をすることで、その後の発達に遅れがでる可能性があります。
下記の3つは、お座り後の
発達に影響が出る可能性があるので、安定したお座りができるようになるまで控えましょう。
- ベビーチェアやベビーソファーの使用
- 長時間座り姿勢を控える
- 安定してお座りができるまでは目を離さない
ベビーチェアやベビーソファーの使用
ベビーチェアやベビーソファーを低月齢から使用すると、赤ちゃんに必要な筋力やバランス力を養えず、適切な発達経過をたどれない可能性があります。
シャフリングベビーになってしまう可能性もあるので、自発的にお座りできるまでは使用を控えるのがおすすめです。
使用する場合は、長時間の使用は控えましょう。
長時間座り姿勢を控える
お母さんやお父さんが腰を支えて座る練習をさせる場合、長時間座り姿勢を維持することがないようにしましょう。完璧に腰がすわっていない状態で長時間座った姿勢を保っていると、背中や首の筋肉が緊張して硬くなってしまいます。
また、安定して座れない状態で座位を続けると、赤ちゃんは思うように動けない
ストレスから、興味や好奇心が低下してしまうかもしれません。
安定してお座りができるまでは目を離さない
ベビーチェア・ベビーソファを使用するときやお座りの練習をするときは、安定してお座りができるようになるまでは決して目を離さないようにしましょう。
安定してお座りができない赤ちゃんは、自分の意図しない方向にたおれてしまいます。
「お座りの練習をしていたら、赤ちゃんが急に前に倒れて口元をぶつけてしまい、前歯が折れた」という事故も報告されているので、安定してお座りができない赤ちゃんは、大人の手が届く範囲で活動させるのが安心です。
身体が十分に発達したら自然とお座りができるようになる
一般的に、赤ちゃんは7か月~8か月を迎える頃には
自然とお座りができるようになるといわれていますが、個人差が大きく、早い子と遅い子では6か月程度発達に差が出ることもあるようです。
赤ちゃんの発達は、歩けるようになるまで必要な運動能力を順番に身につけられるような形で進んでいくため、お座りの練習をする必要はありません。
赤ちゃんとのコミュニケーションの一環としてお座りの練習をする場合は、赤ちゃんへの負担を考えて行いましょう。