新生児の赤ちゃんは抱き方にも注意が必要?正しい抱っこの方法と注意点を紹介

産後・新生児
まだ首が座っていない新生児の赤ちゃんを抱っこすることは、ママやパパでもはじめは心配になるものです。 慣れないうちはぎこちなくなってしまうのも仕方がないことですが、緊張している気持ちは赤ちゃんにも伝わってしまいます。 赤ちゃんを上手に抱っこできるようになると、スキンシップがより深まって赤ちゃんも安心してリラックスができます。 この記事では、新生児の赤ちゃんの正しい抱き方と注意点について紹介しています。

赤ちゃんを抱っこする役割とは?

新生児 抱き方 注意
赤ちゃんを抱っこすることの役割について考えたことがありますか? 動物の赤ちゃんには産まれてからすぐに立ち上がる種類もありますが、人間の赤ちゃんは動物と比べて、自分で立って歩くまでに約1年程度の期間を必要とします。 人間の赤ちゃんにとって「抱っこ」にはどんな役割や効果があるのかについて解説します。

赤ちゃんの身体と心は抱っこで育む?

人間の赤ちゃんは骨格や筋肉、脳などが未発達の状態で産まれてきます。 一人では何もできない人間の赤ちゃんにとって「抱っこ」などの触れ合いが以下のような効果を発揮することがわかっています。
  • 呼吸や脈拍が安定する
  • 体温が上昇し、体重も増加していく
  • 赤ちゃんの心身が落ち着き、絆が深まる
  • スムーズな授乳がスタートできる

新生児の赤ちゃんは横抱きが基本

新生児 抱き方 注意
赤ちゃんの抱っこには「横抱き」「縦抱き」「脇抱き」などと、色々な抱き方がありますが、新生児の基本の抱き方は「横抱き」です。 横抱きの基本や注意点などを説明します。

横抱き抱っこの基本

赤ちゃんを横抱きする場合は、どちらの腕で赤ちゃんの頭を支えるかをまず決めます。 どちらの腕でもお好きな方でかまいません。 腕が疲れてきたら無理せず抱き替えするなど工夫しましょう。

横抱き抱っこの方法

赤ちゃんの横抱きする手順を具体的に説明します。
  1. 手を赤ちゃんの頭のしたに入れ、首の後ろと頭をしっかり支えます
  2. 反対の手を赤ちゃんの股の下から手を入れてお尻を支えます
  3. 両手でゆっくりと持ち上げながら、赤ちゃんを胸元に引き寄せます
  4. 頭を支えていた手をゆっくりとずらしていき、肘の内側に赤ちゃんの頭をのせます
  5. 反対の手はお尻から背中を支えるようにずらしていきます
  6. 反対の手はお尻から背中を支えるようにずらしていきます
  7. 赤ちゃんと自分の身体を密着させて安定させます

横抱き抱っこの注意点

横向き抱っこは赤ちゃんの身体が常に水平を保つように意識しましょう。 持ち上げるのが心配な場合は、布団やマットなどを敷いた床に座りながら抱きあげると落とす不安がないので落ち着いて抱き上げることができます。

抱っこしたとき赤ちゃんの足は?

赤ちゃんは骨格の構造上、背中がゆるくCの字にカーブしており、足がM字に開脚しています。 これは、お腹の中にいたときに丸くなっていた名残だといわれています。 赤ちゃんを抱っこするときは無理のない姿勢をキープしてあげることが大切なので、この体勢をくずさないでいられるように注意してあげましょう。

横抱きした赤ちゃんを布団に移すとき

抱っこしていた赤ちゃんを布団に移すなど抱き下ろすときは、全身を一度に下ろそうとせずに「お尻→背中→頭」の順に下ろすようにしましょう。 頭側から下ろすと赤ちゃんがビックリしてしまったり、起きてしまったりするので注意が必要です。 具体的な抱き下ろしの手順は以下のようにしましょう。
  1. 腕の内側で支えていた赤ちゃんの頭を手のひらまでずらします
  2. お尻と背中を包み込むように支えていた手を赤ちゃんのお股の間にもっていきます
  3. 自分の身体をできるだけ赤ちゃんに近づけたまま、赤ちゃんを「お尻→背中→頭」の順番にゆっくりと下ろしていきましょう
  4. 赤ちゃんを下ろしたい場所へ着地させ、落ち着いている様子を確認したら、支えていた手をゆっくりと抜いて、抱きおろしは完了です

赤ちゃんの横抱きに疲れてしまったときは?

ずっと同じ抱き方をしていると次第に腕が疲れてきてしまいます。 そんな時には、抱き替えをするか、もしくは座って抱っこするときに、太ももの上にクッションなどを入れて高さを調節して腕の負担を軽減する工夫をすると良いでしょう。

赤ちゃんを抱っこし過ぎてはいけないのか?

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赤ちゃんは抱っこされるのが大好きです。 赤ちゃんは大泣きしていても抱っこしてあやしていると泣き止んだり、機嫌が良くなったりするものです。 なぜなら、抱っこされるとママの心臓の音が聞こえたり、抱き寄せられることで体温を感じたりして安心感が得られるからだといわれています。

抱っこしてばかりいると「抱き癖」がつく?

「抱っこしてばかりいると抱き癖がつく」といった言葉を聞いたことはありませんか? ひと昔前は赤ちゃんを抱っこしてばかりいると「抱き癖」がつくから良くないと言われていた時代がありました。 しかし、今やその考え方は完全に「過去のもの」となりました。 抱っこはママとの信頼を深めたり、情緒の安定につながったりと赤ちゃんの健やかな成長にとって非常に大切なものです。

泣いたらすぐに抱っこしても大丈夫?

赤ちゃんが泣くたびに抱っこしても良いのか気にする方もいるようですが、赤ちゃんは何かあっても泣くことでしか訴えることができません。 抱き癖についても医学的根拠は何もありませんから、泣く度に赤ちゃんを抱っこしてあげても何も問題もありません。 抱っこは肌と肌が触れ合い、ぬくもりを感じることができる大切なスキンシップです。 スキンシップをすると「オキシトシン」というホルモンが分泌され、不安やストレスなどを抑制するといわれています。 オキシトシンは別名「愛情ホルモン」とも呼ばれ、赤ちゃんはママに抱っこされたり、スキンシップを取ることでオキシトシンが分泌されます。 また、オキシトシンは大人になってからの人間関係や社会的行動にも関係するホルモンだということがわかっています。 抱っこが赤ちゃんにもたらす影響を考えると、むしろどんどん抱っこしてあげるに越したことはないでしょう。

新生児は縦抱きしても大丈夫?

新生児 抱き方 注意
基本である「横抱き」にも慣れないうちに「縦抱き」をするのは難しいかもしれません。 首が座っていないので怖く感じるかもしれませんが、コツさえつかめば新生児でも縦抱きをしても大丈夫です。

縦抱き抱っこの基本

赤ちゃんの縦抱き抱っこの手順を具体的に説明します。
  1. 赤ちゃんの正面から、親指を手前、奥に4本指になるように脇に手をいれます
  2. もう片方の手で頭を支えながら、ゆっくりと抱き上げます
  3. 片方の手で頭を支えつつ、肩のあたりに赤ちゃんの顔をのせます
  4. 頭を支えたまま、反対の腕でお尻全体を支え込むように抱き込みます

縦抱き抱っこの注意点

縦抱きの抱っこをする際には、赤ちゃんの身体の姿勢を崩さないように抱き上げてあげるように注意しましょう。 特に首がすわっていない新生児は、より慎重に抱き上げることが重要です。 成長するにつれて身体がしっかりしてくると赤ちゃん自身で姿勢をキープできるようになるので、お尻と背中を支えてあげれば大丈夫になりますが、それまではサポートしてあげることが抱っこする側の役目となります。

新生児を縦抱き抱っこするのはどんな時?

新生児の赤ちゃんを縦抱き抱っこするシーンは以下のとおりです。
  • 赤ちゃんに授乳しているとき
  • 赤ちゃんにゲップさせたいとき
  • 赤ちゃんがなかなか寝てくれないとき

赤ちゃんがなかなか寝てくれないとき

新生児 抱き方 注意
ずっと同じ向き、同じ抱き方をしていると腕の疲労を招いてしまいます。 そのようなことがないように、横向き抱っこしている赤ちゃんの位置を左右で向きを替えたり、縦抱きから横抱きに赤ちゃんの体位を替えたりといったいわゆる「抱き替え」をすると良いでしょう。

横抱きの左右を替えたいとき

横抱きしている赤ちゃんの抱き替えをしたいときには以下のような手順で行いましょう。
  1. 横抱きの姿勢のまま、頭から背中にかけて支えていた方の腕を、赤ちゃんの首をしっかり支えるようにして後頭部から首の後ろあたりに移動させます。
  2. 赤ちゃんと自分の身体を密着させたまま、お尻を軸にして赤ちゃんの足を自分の身体側に向かせて180度回転させます。
  3. お尻を支えていた方の腕に赤ちゃんの頭をのせ、頭を支えていた手に赤ちゃんのお尻をのせます。
  4. 赤ちゃんの体勢を安定させたら、抱き替え成功です。

縦抱きから横抱きへ替えたいとき

縦抱き抱っこをしている赤ちゃんを横向きへと抱き替えを行う場合は以下のような手順で行いましょう。
  1. 赤ちゃんの首から後頭部にかけてを手で包み込むようにしながら、しっかりと支えます。
  2. 赤ちゃんと自分の身体が離れないようにしながら、赤ちゃんのお尻を軸にして身体を縦向きから横向きへと慎重に移動させます。
  3. 赤ちゃんの頭を自分の腕にのせ、体勢を安定させたら横抱きへの抱き替え成功です。

赤ちゃんが抱っこを嫌がるときはどうする?

新生児 抱き方 注意
赤ちゃんの意思表示の行動として「反り返り」があります。 生まれたばかりの新生児の場合はまだ反り返ることもできませんが、首がすわる少し前くらいになると、赤ちゃんが横抱きの姿勢を嫌がって泣くことがあります。 抱き方を変えてみるのも一つの手です。 もしかしたら、抱っこが嫌なのではなく、横抱きの姿勢が嫌なのかもしれません。 そんな時は、横抱きから縦抱きに変えてみると泣き止む場合もありますので、試してみましょう。 こういった行動はだいたい首のすわりはじめる3〜4か月頃から多くみられるようです。 また、成長するにつれて手をついて座れるようになったり、ハイハイやつたえ歩きができるようになってくると、赤ちゃんも自分の意志で動けるようになるため、抱っこされて行動が制限されることを嫌がることがあります。

抱っこを嫌がるけど抱っこしなければならないとき

あかちゃんが抱っこを嫌がっても、状況的に抱っこをせざるを得ないこともあるでしょう。 抱っこしても反り返ったりして、抱っこを嫌がるときは抱き方を横抱きから縦抱きに替えてみたり、前を向かせてみたりするなどをして視点を変えてあげるのも有効です。 見える世界が変わることで赤ちゃんの気分を変えることができます。

赤ちゃんが抱っこを嫌がる原因

抱っこした赤ちゃんが泣き出すと原因が分からずに困ってしまうこともあるでしょう。 赤ちゃんが抱っこを嫌がる原因には以下のようなことが考えられます。 参考にしてみてください。
  • 暑い
  • 抱っこの姿勢が気に入らない
  • おっぱいのにおいが気になる
  • 親の不安が伝わる
  • 抱っこに慣れていない

暑い

赤ちゃんは体温が高いので抱っこされたときに暑くて泣き出すことがあります。 新生児はまだ体温を調整する機能が未発達なため、暑さを感じやすいので気にかけてあげましょう。

抱っこの姿勢が気に入らない

先述のとおり、抱っこされている姿勢が不安定だったり、心地悪いと赤ちゃんが不安を感じて泣き出すことがあります。 抱っこの仕方が悪いと赤ちゃんの身体に負担がかかります。 また、普段とは違う人に抱っこされることで違和感を感じて泣くこともあります。

おっぱいのにおいが気になる

ママが抱っこしたときにおっぱいのにおいが気になって泣き出してしまうこともあります。 眠りたい気持ちとおっぱいを飲みたい気持ちの葛藤で興奮して泣くケースもあります。 特に生後4か月頃までは嗅覚も敏感なため、こういった傾向がみられます。

親の不安が伝わる

赤ちゃんはママの表情をよく見ているので、ママが不安を感じていたり、疲れていたり、余裕がなくなったりしていると、その精神状態が赤ちゃんに伝わって泣くことがあります。 育児などに追われて疲労困憊になったときは赤ちゃんを信頼できる人にみてもらったり、シッターや家事代行を頼むなどして、心身ともに休んだり、リフレッシュするようにしましょう。

抱っこになれていない

生まれたばかりの赤ちゃんは赤ちゃん自体が抱っこに慣れていません。 そのため、抱き上げられる感覚や姿勢に慣れず、びっくりして泣いてしまうこともあります。 お腹が空いていたり、おむつがぬれていたりといった泣いてしまう原因が特に無い場合には抱っこに慣れていなくて泣いていることも考えられます。 この場合は次第になれていきますので、気持ちを楽にして様子を見てください

抱っこによる腱鞘炎の予防対策は?

新生児 抱き方 注意
はじめての赤ちゃんでまだ育児になれていない場合、手や腕に余分な力が入ってしまい、腱鞘炎になってしまうというママも少なくありません。 特に新生児の赤ちゃんを抱っこするときは緊張していることもあり、赤ちゃんの首の後ろを押さえる手に力が入ってしまったり、肩に妙な力が入って抱き方が不自然になったりして腱鞘炎になりやすいです。 手首だけで赤ちゃんの頭や身体を支えるような抱き方をしたり、赤ちゃんを自分の身体から離しておそるおそる抱っこすると変な力がはいってしまい腱鞘炎になりやすいので注意しましょう。

腱鞘炎になってしまった場合の抱っこはどうする?

赤ちゃんの抱っこや授乳など毎日繰り返す動作で手首や指先に負荷がかかり、育児中に腱鞘炎になってしまう方も少なくありません。 手を休めることが最も簡単で確実な対策ですが、なかなかそうもいきません。 腱鞘炎対策注の抱っこ対策として、抱っこの仕方を工夫するなどして手の負担を軽減することをおすすめします。 赤ちゃんはお腹の中にいたときのように、背中を丸くして抱っこしてあげると安心します。 赤ちゃんのひざの裏側を前腕にのせ、赤ちゃんのうなじを肘の内側にのせてあげると赤ちゃんにとってラクな姿勢であり、抱っこしている人も余計な力が入らず負担が軽くなります。 また、赤ちゃんを抱き上げるときは、手首や腕だけで持ち上げようとするのではなく、自分の身体をかがめて赤ちゃんの体重を自分の身体に預けるように意識して、胸を中心に身体全体で抱っこするように心がけると良いでしょう。

赤ちゃんをたくさん抱っこしよう

新生児 抱き方 注意
新生児の赤ちゃんを抱っこするときの方法や注意点、嫌がるときの対処法などを紹介しました。 抱っこは赤ちゃんとの大切なスキンシップです。 赤ちゃんが自分で動くことができない期間はあっという間に過ぎてしまいますので、たくさん抱っこしてあげましょう。
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