【危険!】自転車での抱っこ紐使用は交通違反!?赤ちゃんと自転車に乗る時の5つの注意点をご紹介

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子育て世代の強い味方である自転車。

幼児座席に子どもを乗せて保育園や幼稚園の送迎、買い物などをしているママ・パパの姿はよく見かける光景です。

 

そのような中で、しばしばネット上で話題になるのが『抱っこ紐』をつけての自転車走行です。実際に、抱っこ紐で小さな赤ちゃんを『おんぶ』や『抱っこ』をして自転車に乗っている方を見かけたことがある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

 

「危ないのでは?」「大丈夫?」などという声が多く聞かれますが、その反面、「車を持っていない」「上の子の幼稚園の送迎に必要不可欠」など、その方の生活環境によっては

抱っこ紐走行をせざるを得ない!という方も多いようです。

 

そもそも、抱っこ紐での自転車走行は法律に違反していないのでしょうか?今回は、法律で定められているルールや赤ちゃんと自転車に乗る際の注意点などを深堀して解説します。

 

ぜひ、最後までご覧ください。

抱っこ紐での自転車は違反なの?

『抱っこ(前向き)』での自転車走行は道路交通関係法令違反!

実は、抱っこ紐を使って『前抱き』で自転車走行をするのは交通違反なのです。例えば東京都の場合は東京都2万円以下の罰金または過料が科されます。

『おんぶ』であれば、首がすわっていればOK!

『前抱き』は交通違反になりますが、『おんぶ』での自転車走行は法律で認められています。抱っこ紐でおんぶができるのは、首すわり後からです。首がすわっていない状態でのおんぶは絶対にしないようにしましょう。

 

こどもの発育状態から、おんぶできるのは首すわり後からとされています抱っこひものSG基準では、背負い式(おんぶ)の適用対象年齢を、首がすわった乳児期(4カ月)から36カ月までの間の任意の範囲としています。

 

参考:独立行政法人国民生活センター

https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20221116_1.pdf

 

例えば、エルゴベビーは『首すわり後、体重7.8kg以上、生後6ヶ月以上からおんぶ可』、ベビービョルンは『首すわり後、生後12ヶ月以上』など、メーカーごとにおんぶの対象月齢は異なります。首すわり後、お使いの抱っこ紐の使用月齢をクリアした上で使用するようにしましょう。

お住まいの地域の道路交通法施行規則を要確認!

抱っこ紐を使っての自転車走行は、地域によって規定に多少違いがある場合があります。お住まいの地域の『道路交通法施行規則』を確認してみましょう。

 

参考:警視庁

 

例えば、東京都の道路交通法施行規則を見てみるとこのように記されています。

 

10条 法第57条第2項の規定により、軽車両の運転者は、次に掲げる乗車人員又は積載物の重量等の制限をこえて乗車をさせ、又は積載をして運転してはならない。

 

(1) 乗車人員の制限は、次のとおりとする。

 

ア 二輪又は三輪の自転車には、運転者以外の者を乗車させないこと。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。

 

(ア) 16歳以上の運転者が幼児用座席に小学校就学の始期に達するまでの者1人を乗車させるとき。

 

(イ) 16歳以上の運転者が幼児2人同乗用自転車(運転者のための乗車装置及び2の幼児用座席を設けるために必要な特別の構造又は装置を有する自転車をいう。)の幼児用座席に小学校就学の始期に達するまでの者2人を乗車させるとき。

 

(ウ) タンデム車(2以上の乗車装置及びペダル装置が縦列に設けられた二輪の自転車をいう。)に運転者以外の者1人を乗車させるとき。

 

(エ) 三輪の自転車(2以上の幼児用座席を設けているものを除く。)に、その乗車装置に応じた人員までを乗車させるとき。

 

イ 二輪又は三輪の自転車以外の軽車両には、その乗車装置に応じた人員を超えて乗車させないこと。

 

ウ 16歳以上の運転者が幼児(6歳未満の者をいう。)1人を子守バンド等で確実に背負つている場合の当該幼児は、ア((イ)及び(ウ)に該当する場合を除く。)及びイの規定の適用については、当該16歳以上の運転者の一部とみなす。

 

参考:東京都道路交通規則

16歳以上の人が抱っこ紐でおんぶをして自転車走行することが、確かに認められています。

子どもを3人乗せるのはNG!

幼児2人同乗用自転車の前後に子どもを乗せた状態で、さらに子どもをおんぶして自転車走行をするのはNGです。自転車に乗れる子どもは、抱っこ紐の中の子どもを含めて2人までになります。

参考:独立法人国民生活センター

前後に子どもを乗せているだけでも自転車はかなりの重さになります。そのような中でさらにおんぶをするなんて、バランスも取りにくく想像するだけで危ないですね。交通違反になるので、絶対にしないようにしましょう。

『前抱き』での自転車が危険な4つの理由

なぜ、『前抱き』での自転車走行は交通違反になるのでしょうか。ここでは、『前抱き』が危険な理由を4つ紹介します。

その1:自転車が転倒した際にケガをする場合がある

子どもを前抱き状態で自転車を運転すると、自転車が転倒した際に重篤なけがをする場合があります。過去には実際に子どもの頭部が地面に強く打ち付けられて亡くなってしまったという悲しい事例も…。抱っこ紐をしての自転車運転は、想像以上にバランスを崩しやすいようです。

その2:自転車走行中に抱っこ紐から転落する場合がある

抱っこ紐の装着が緩かったり適切でなかったりすると、運転者のペダルをこぐ際の足の動きで子どもの身体が持ちあげられて、隙間から転落をする可能性があります。1歳未満用のSGマークの付いたヘルメットは販売しておらず、頭を守るものはありません。そのため抱っこ紐から転落した場合、大きなケガをする危険性が高いのです。

その3:前抱きした状態だと足元が見えにくくなる

子どもを前抱きした状態だと、自転車をこぐ際の足元や路面が見えにくいため危険です。バランスを崩しやすく、ちょっとした段差に気付くことができずに転倒してしまったという事例も多く聞かれます。

その4:走行中、前が見えにくくなる

当然ですが、足元だけでなく前も見えにくくなります。赤ちゃんの頭に視界が遮られてしまうのです。子どもを乗せた状態での自転車走行は、普段以上に安全運転を意識したいところ。視界に妨げがある状態での自転車走行は絶対にやってはいけませんね。

当然ですが、足元だけでなく前も見えにくくなります。赤ちゃんの頭に視界が遮られてしまうのです。子どもを乗せた状態での自転車走行は、普段以上に安全運転を意識したいところ。視界に妨げがある状態での自転車走行は絶対にやってはいけませんね。

抱っこ紐を使って実際に起こった自転車事故の例

国民生活センターの公表によると、2017年以降に前抱きでの自転車走行により転倒したりケガをしたりしたという事例は約32件寄せられているそうです。過去には死亡例も複数報道されています。

実際にどのような事例があるのか見てみましょう。

頭部に重篤なけがをする場合が多い

・保護者が抱っこひもでこどもを抱っこして自転車で走行中に転倒した際に頭部を打撲した。頭蓋骨骨折により7日間入院した。(7カ月・男児)

 

・保護者が抱っこひもでこどもを抱っこして自転車で走行中に抱っこひもから転落した。頭蓋骨骨折、硬膜外血腫、鎖骨骨折により入院した。

(5カ月・女児)

 

参考:独立行政法人国民生活センター

 

赤ちゃんが抱っこ紐から転落すると、その高さは1.5m以上と恐ろしい高さ。子どもの頭蓋骨は薄くてもろいため、頭蓋骨の骨折や脳震盪等を起こしやすく。後遺症が残ってしまったという事例もあるようです。

過去には赤ちゃんの死亡例も…

2021年には東京都世田谷区で、自転車に乗った母親と生後8ヶ月の男の子がトラックではねられる事故がありました。男の子は母親に抱っこ紐で前抱きをされていた状態だったそうです。男の子は心肺停止の状態で病院に運ばれて、その後死亡が確認されました。

 

もう二度と繰り返してほしくない悲しい事故ですね。

『前抱き+自転車』が違反なのは意外と知られていない?

前抱きで自転車に乗ることは法律違反であり非常に危険です。しかし、実際には抱っこ紐での自転車走行は多く見られます。ネット上にも多くの意見がありましたが、幼稚園や保育園の送迎環境によっては、『絶対に自転車が必要!』という場合も多いのが現状。それでも『前抱き』だけは絶対にしないようにしましょう。

 

抱っこ紐で赤ちゃんと自転車に乗る時の5つのポイント

おんぶをして抱っこ紐で赤ちゃんと自転車に乗る時には、以下の5つのポイントをしっかりと確認するようにしましょう。

 

その1:必ず『おんぶ』で首がしっかりすわってから

その2:SGマークの付いた抱っこ紐を使う

その3:「幼児2人同乗認証マーク」「BAAマーク」のついた自転車を選ぶ

その4:抱っこ紐のベルトをしっかりしめる

その5:無理な運転はしない

 

1つずつ詳しく紹介していきます。

その1:必ず『おんぶ』で首がしっかりすわってから

先ほども紹介したように、首がしっかりとすわるまではおんぶをしないようにしましょう。首には大切な神経や血管が通っています。首がすわっていない状態で自転車に乗せれば、頭が前後左右に倒れてしまい、首に大きなダメージをおってしまうことも…。

抱っこ紐の対象月齢をクリアしているかの確認も忘れないようにしましょう。

その2:SGマークの付いた抱っこ紐を使う

抱っこ紐は『SGマーク』の付いたものを使用するようにしましょう。

 

SGマークとはSafe Goods(安全な製品)を表し、一般財団法人製品安全協会が定めた安全基準に適合したとして認証されたことを示すマークです。万が一、SGマーク付き製品に欠陥があり、それを原因として人身損害が起きた場合、賠償する制度も付加されています。SGマークの表示対象の子ども向け製品には、ベビーカー、すべり台、乳幼児用ベッド、抱っこひも、幼児用ベッドガードなどがあります。

 

参考:消費者庁

 

人気のベビービョルンやエルゴベビーなどの抱っこ紐はSGマークが付いていますよ。おんぶができるか不安な場合には、SGマーク付きの抱っこ紐をレンタルしてみるのもおすすめです。

 

【こちらがおすすめ】

オリジナル ベビービョルン(BabyBjorn) 抱っこ紐・おんぶ紐 R003

babyrenta.com

 

オムニ360 クールエア エルゴベビー(ergobaby) 抱っこ紐・おんぶ紐 R003

その3:「幼児2人同乗認証マーク」「BAAマーク」のついた自転車を選ぶ

自転車を選ぶ際には、多くの基準をクリアした自転車のみに認められる『BAAマーク』の付いた自転車を選ぶようにしましょう。自転車のサドル下の縦パイプの部分に貼られています。

 

BAAマークとは「自転車安全基準」の約90項目もの厳しい検査をクリアした自転車だけ

に貼られている、安全・安心で環境に優しい自転車の目印です。

 

参考:一般社団法人自転車協会

 

抱っこ紐におんぶした赤ちゃんとは別に幼児を乗せる場合には、『幼児2人同乗認証マーク』の付いた自転車を選びましょう。

『幼児2人同乗認証マーク』のついた自転車には、2つの幼児用座席を付けるために必要な特別の構造又は装置がついています。また、幼児2人を同乗させても十分な車体の強度やブレーキ力、転倒時の安全性への配慮などが細かく図られているのです。

 

これから自転車の購入を検討されている方は、『BAAマーク』『幼児2人同乗認証マーク』の2つがどちらも付いている自転車をおすすめします。

その4:抱っこ紐のベルトをしっかりしめる

自転車に乗る前に、抱っこ紐の全てのベルトが完全に締まっているかを確認しましょう。歩行時と異なり、自転車に乗ってからベルトのゆるみを感じた場合、すぐに直すことが難しいので非常に危険です。

前抱きと比べて、おんぶは難しいと感じる人も多いようですが、コツを掴めば意外と簡単!

メーカーによってはyoutubeの公式サイトにて、使い方の動画を紹介している場合があります。一度チェックしてみるのはいかがでしょうか?

 

その5:無理な運転はしない

子どもの安全を一番に考え、無理な運転は控えましょう。雨天時や雪の日などの路面状態の悪い日には徒歩や公共の交通機関等の利用を考えてみましょう。

1歳になったらチャイルドシートの活用を!

子どもが1歳になったらチャイルドシートに乗せることができます。シートベルトが付いており、おんぶよりも安全性が高いと言われています。チャイルドシートに乗せる際には、ヘルメットの着用が必要です。SGマークの付いたヘルメットを選びましょう。

まとめ:自転車で抱っこ紐を使うなら必ず『おんぶ』で!

子育てに欠かせない抱っこ紐!自転車に乗る時には、『前抱き』は交通違反です。『おんぶ』をして利用するようにしましょう。

しかし、おんぶをしていれば安全なのか…と言われれば、100%そうであるとは言いきれません。おんぶをしていても、ほんの小さな気の緩みから大きなケガや事故に繋がることがあります。

 

大切な子どもの命を乗せて運転していることを忘れずに、安全に利用していきたいですね。

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