陰嚢水腫の症状と治療法について

健康・病気

陰嚢水腫の症状と治療法について

陰嚢内の睾丸周囲に水がたまっている陰嚢水腫の赤ちゃんは多くいます。下から懐中電灯をあてると水がたまっている部分は赤くなります。両方の睾丸を注意してさわって左右差が多少見られる程度の小さな陰嚢水腫(比較的大きいほうが陰嚢水腫)から、直径3~4cmと大きなものまで、大きさはいろいろです。いずれの場合も、1歳ごろまでなにもしないで様子を見ているだけで、水が自然に吸収されて洽る赤ちゃんがほとんどです。睾丸にはまったく影響がありません。昔は針で水を抜き取ったこともありましたが、一時的によくなるように見えても、すぐにまた水がたまってしまい治療効果はあまりありません。また、針を剌すことで感染の危険性がありますので、最近はあまり行われなくなりました。

1歳過ぎても治らない場合は、他の病気の疑いも

1歳過ぎても治らない場合は、たんなる陰嚢水腫だけでなく、鼠径ヘルニア、または精索水瘤の可能性が高いと考えられます。おのおの単独の場合と合併している場合があります。鼠径ヘルニアは、泣いたり、いきんだりしておなかに力を入れたときに、鼠径部(足の付け根のあたり)付近からふくれてきます。おなかに力を人れると腸が出てふくれてきますが、力を入れないと引っ込みます。腸が出っばなし(嵌頓ヘルニア)になると、腸が腐ってくる心配がありますので、緊急手術の対象になります。緊急手術は危険性が高いのでそれを避けるために鼠径ヘルニアは1歳くらいまでに手術をして治すのが原則です。
精索水瘤は、睾丸周囲だけでなく、その上部にある精索に水が貯まっている病気です。陰嚢水腫にくらべて自然に治る可脳性は低いのですが、自然に治る時期が比較的遅いので、2歳くらいまで待つことが多いです。自然に治らなければ手術になります。いずれにしても陰嚢に水がたまっていて1歳くらいになっても自然に治らなければ、小児科か小児外科を受診してその後の方針を決めてもらってください。

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